ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

久しぶりの鉛筆と、ヘンデル/水上の音楽

先日、選挙へ行ってきたときのこと。 これからの世の中を左右する選挙の投票会場は やはり、何か厳かな雰囲気で、すでに何度も経験しているとはいえ 今だに緊張を感じるのである。 沢山の係員に、終始行動を見張られているようにも思うし。 悪いことはしてい…

ピアノ演奏にふさわしい作品、とも思える ショスタコーヴィチ/交響曲第5番(ピアノ連弾版)

前回に続き、交響曲のピアノ連弾版を聴いてみる。 ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 ニ短調 op.47 演奏:グラウ・シューマッハー ピアノ・デュオ 録音:2005年11月21~25日 ショスタコーヴィチは自作の交響曲作品初演前に ピアノ連弾版で弾き、作品を確認した…

2人だけで演奏される マーラー/交響曲第6番「悲劇的」(ピアノ連弾版)

100人を超える大オーケストラ編成で演奏されるマーラーの交響曲。 圧倒される音圧を浴びるのが、その魅力の一つだが 今日は「たった2人だけ」で演奏されるバージョンを聴く。 交響曲第6番 イ短調「悲劇的」(ツェムリンスキー編曲によるピアノ連弾版) 演奏…

悩ましさが募る マーラー/交響曲第6番「悲劇的」

やらなきゃいけないことがあるのに なぜだか気分か高まらない。 ノッてこない。 そんな時には音楽を聴いてテンションをアップさせる ということはよく利用する手段であろう。 人によって、いろいろな曲がその目的に使われているのだろう。 配信では勝手にそ…

スペインらしくない アルベニス/ピアノ協奏曲第1番

アルベニス/ピアノ協奏曲第1番 イ短調 op.78「幻想的協奏曲」 ピアノ:メラーニ・メストレ 指揮:マーティン・ブラビンス 演奏:BBCスコティッシュ交響楽団 録音:2012年1月6~7日 グラスゴー 「ロマンティック・ピアノ・コンチェルトシリーズ」 という…

喜歌劇の父が作った鎮魂曲 スッペ/レクイエム

スッペ/レクイエム ニ短調 指揮:ゲルド・シャラー 演奏:フィルハーモニー・フェスティバ 録音:2012年7月(ライブ録音) フランツ・フォン・スッペ 正式な名前は フランチェスコ・エゼキエーレ・エルメネジルド・スッペ=デメッリ 長い・・・ 「オペレッ…

不気味な音程が虜になる シューベルト/ピアノ・ソナタ 第14番

シューベルト/ピアノ・ソナタ第14番 イ短調 D.784 演奏:ウラディーミル・アシュケナージ 録音:1966年 6月、 デッカ・スタジオ(ロンドン) とても不気味な曲である。 CDのプレイボタンを押すなり、そう思った。 シューベルトのピアノ・ソナタ作品の中でも…

指揮者が倒れてしまったら? チャイコフスキー/交響曲第4番

「指揮棒が刺さって死んだ人がいる」 の答えは ジャン=バティスト・リュリ というのは先にも書いたことだが (まだお読みでなければ、以下ご参照いただければ) herbertvonharayan.hatenablog.com それを書いてから、思い出したことがある。 「指揮棒が刺さ…

王家の前で上演されたユニークなオペラ ラモー/歌劇「プラテー」

それにしても不気味なものが写ったジャケットである。 ジャケ買いは決してしないような。 ジャン=フィリップ・ラモーは 1683年に生まれ、1764年に亡くなった。 先回書いたリュリの後に大活躍した音楽家で ルイ15世の宮廷作曲家に任命されるという華やかな職…

ムダ知識から出会った作品 リュリ/テ・デウム

昔の話 回答者が驚いたり納得したときに、座席前のボタンを押すと 「へぇ、へぇ」という音がで出て、その点数の高さを競うというテレビ番組があった。 「ガッテン、ガッテン」 ではない。 明日使えるムダ知識をあなたに というキャッチフレーズ。 「ムダな知…

ジャケ買いの対象は? ヴィヴァルディ/スターバト・マーテル

★★ヴィヴァルディ/スターバト・マーテル★★ この曲との出会いはヨーロッパへ向かう飛行機の中だった。 長い長い機内での過ごし方といえば、普段はあまり見ない映画を まとめて鑑賞する機会になっている。 映画が嫌いということではなく 音楽のほうに投資して…

いきなり出だしで心掴まれる「サン=サーンス/ピアノ協奏曲第1番」

★★サン=サーンス/ピアノ協奏曲第1番★★ カミーユ・サン=サーンス そのお顔は、私が子供の頃であっても ベートーヴェンとか、モーツァルトとか超有名な作曲家以外であっても すでに分かっていた。 「これは誰でしょう?」 と顔写真がクイズに出てもすぐ答…

劇的らしいが、有名になれない曲 ルビンシテイン/交響曲第4番「劇的」

ルビンシテイン/交響曲第4番 「劇的」 指揮:ロベルト・スタンコフスキー 演奏:スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1990年3月 スロヴァキア・コシツェ 芸術の家 迫力があって激しくて、ドラマティックな曲が好きである。 クラシッ…

ライト・クラシックの王様の協奏曲 ルロイ・アンダーソン/ピアノ協奏曲

アメリカン・ピアノ・クラシックス 指揮:エリック・カンゼル 演奏:シンシナティ・ポップス・オーケストラ ピアノ:ステュワート・グッドイヤー 他 ルロイ・アンダーソン 名前は知らずとも、彼の作品を聴いたことがあるという方はたくさんいるはず。 例えば…

出過ぎた杭になる。でも最初の基本は必要。 ストラヴィンスキー/交響曲第1番

ストラヴィンスキー/交響曲第1番 指揮:アンタル・ドラティ 演奏:デトロイト交響楽団 録音:1984年11月 旧デトロイト・オーケストラ・ホール ストラヴィンスキー といえばバレエ音楽「春の祭典」 をまっさきに思い浮かべる、という方は多いはず。 私もその…

現代音楽とビートルズ。その編曲の妙味 ベリオ(編曲)/「ミッシェル」他

ベリオ(編曲)/「ミッシェル」「Ticket to Ride」「イェスタディ」 (ベリオ/トランスフォーメーションから) 指揮:アイヴォー・ボルトン 演奏:バーゼル室内管弦楽団 ソプラノ:ソフィア・ブルゴス 他 ルチアーノ・ベリオ イタリアの現代音楽作曲家。 …

看板に偽りあり? ウェーバー/ 華麗なポラッカ「笑いこける」

ウェーバー/ ピアノ作品集4 演奏:アレクサンダー・パレイ 今年はご存知のとおり「ベートーヴェン ・イヤー」 それに因んでベートーヴェン作品を毎日聴いているが もちろん、その他の作曲家の作品も聴いているわけで、でもなぜかベートーヴェン以外に、す…

もし、巨万の富を得たら何がしたい? その2 ドリーブ/歌劇「ラクメ」から「鐘の歌」

「ハイCsの殺戮」 ソプラノ:フローレンス・フォスター・ジェンキンス ピアノ:コズメ・マクムーン 予定していた演奏会が軒並みキャンセル。 無観客配信など、新たな形態で音楽に触れる環境が急に登場したりして これがどれも見聞きしたいものばかりで時間が…

自分が生きてきた各年代を曲で表すと? アルカン/グランド・ソナタ「生涯の4つの年代」

アルカン/グランド・ソナタ op.33 「生涯4つの年代」 演奏:ロナルド・スミス 録音:1973年12月10,11日 アビー・ロード・スタジオ アルカンという作曲家は1813年に生まれた。 ショパン(1810年生まれ)やリスト(1811年生まれ)と同時代に活躍した人。 ショパン…

すべてが偶然の出会いで出来ている マーラー/交響曲第1番「巨人」

マーラー/交響曲第1番「巨人」 指揮:キリル・コンドラシン 演奏:北ドイツ放送交響楽団 録音:1981年3月7日 「おおっ!こんなところで会うなんて。偶然だねぇ」 街を歩いていると、こういうこと、たまにある。 「偶然の出会い」 思いがけず、示し合わせた…

楽器の王様といえば?やはり・・ プーランク/オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲

プーランク/オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 オルガン:マリー・クレール・アラン 指揮:ジェームズ・コンロン 演奏:ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1984年 かなり前だが、SNS上でコンサートの様子が中継されるという告知が上が…

自らの実体験を音楽に表現すること マレ/膀胱結石手術図

★★バロック期の標題音楽集★★ 指揮:ニコラウス・アーノンクール 演奏:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 録音:1969年 ウィーン いきなり変なタイトルが登場したが、ちゃんとしたクラシック音楽の作品である。 「手術図」となっているので、その様子を…

波乱万丈の人生、なのに・・・ ウェーバー/ピアノ・ソナタ 第1番

ウェーバー/ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 演奏:アレクサンダー・パレイ 録音:1994年1月 サンタ・ローサ・フィッシャーホール(カリフォルニア) カール・マリア・フォン・ウェーバー。 といえば 歌劇「魔弾の射手」や「舞踏への勧誘」などの有名な作品を…

本家を知るには時間も必要になることがある ロドリーゴ/アランフェス協奏曲

ロドリーゴ/アランフェス協奏曲 ギター:アリリオ・ディアス 指揮:リッカルド・ムーティ 演奏:フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団 録音:1974年11月2日 フィレンツェ・テアトロ・コムナーレ 哀愁あふれる第2楽章の名高い旋律。 最初、この旋律を知ったのは…

14歳の年の差、なんて? モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」 出演:イングヴァル・ヴィクセル(アルマヴィーヴァ伯爵) クレア・ワトソン(伯爵夫人)、ワルター・ベリー(フィガロ) エディト・マティス(ケルビーノ) 他 指揮:カール・ベーム 演奏:ウィーン・フィルハーモニ…

あんたなんて大嫌い!でも、そのうちに・・ ブルックナー/交響曲全集

ブルックナー/交響曲全集 指揮:オイゲン・ヨッフム 演奏:ドレスデン国立管弦楽団 ブルックナー偉大な作曲家のひとり。 である。 「到底好きになれそうもないな、ブルックナーの作品は」と思っていたのであるが。。。。 最近では「ああ、ブルックナーを大…

お正月気分から緊張感を持って、気持ちを切り替え

ヨハン・シュトラウス2世作品の編曲 ピアノ:コンスタンティン・シチェルバコフ お正月気分もそろそろ終わりにしなければ。国際情勢は先に書いた、映画のような逃亡劇よりも、中東でのキナ臭い「まさか戦争になるのでは」という深刻で緊迫した事態に。 そち…

国際的騒動の渦中、ウインナ・ワルツで新年の雰囲気を取り戻す

ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート2019 指揮:クリスティアン・ティーレマン 録音:2019年1月1日 ウィーン楽友協会 昨年から今年にかけての年末年始。大事件も無く静かな年越しになりそうだ、 と思ったところビッグニュースが。 「カルロス・ゴーン…

AIは1年経過する時間の感じ方を遅くしてくれるのか?

以前「今年も、もう終わってしまう。なんという早さ・・・棺桶が急速にこちらに向かってくる気がする!」 と書いたが、最近読んだ本に「1年が速いと感じる人は、脳を若々しく保つドーパミンが出ていない。ドーパミンはサプライズな体験をした時に出る物質で…

サンタに届けてもらいたいプレゼントは? フライ/クリスマス交響曲「サンタクロース」

フライ/クリスマス交響曲「サンタクロース」 指揮:トニー・ロウ 演奏:ロイヤル・スコティシュ管弦楽団 録音:1999年8月 グラスゴー・ヘンリー・ウッド・ホール 今年も、もう終わってしまう。 なんという早さ。 楽しいことは早く終わってしまうという。 例…