ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

楽器の王様といえば?やはり・・ プーランク/オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲

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 プーランク/オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲
オルガン:マリー・クレール・アラン
指揮:ジェームズ・コンロン
録音:1984
 
かなり前だが、SNS上でコンサートの様子が中継されるという告知が上がった。
そこにはあるホールの開演前の様子が出ていたが驚いた。
その様子がこれである。実際は動画配信の一部。 

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前面に「でかいもの」が置かれている。いったい何の演奏会なのか?
中継されるプログラムには「プーランクオルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」とある。
「ああ、でかいものの正体は、オルガンのコンソール(鍵盤)か!」
 
 それにしても「もしかしてオルガン弾き振りか?」と思うほど指揮台がよくわからないような圧倒的存在感。
さすが、オルガンは楽器の王様!というだけある。
 
ホール備え付けのオルガンは、ホールステージの背面上部にあって、その下に鍵盤がある形式が多い。
たまに、ステージ上にコンソールが出てきて、そこで弾かれることもある。そうしたほうが指揮者がバッチリ見えるわけである。電気で離れたオルガンをコントロールするという現代技術を利用したものである。
でも、こんなステージ前面に出てくる機会はあまりないと思う。
 
 ちなみに本来の場所、オルガン本体の下部では指揮者はバッチリ見えないので、鏡で写したりしていたようだが、最近はやはり現代の技術を駆使、指揮者をカメラで写し、その様子をリアルに写すという画面が付いている。
 
それにしても凄い存在感。

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どちらが指揮者??
 
で、もう一つのソロ楽器ティンパニは?
これはオーケストラ定位置。一番後ろ。
しかもこの曲、弦楽のみなので間に位置する管楽器のところが空白地帯。

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画像には写っていない、はるか後ろに「ポツン」ひとりぼっち状態である。
あまりにも取り扱いの差が大きい。ティンパニ奏者に同情した。
が、タイトルからすればティンパニは3番目、なのである。
通常のオーケストラ伴奏とは違って
弦楽とティンパニだけが伴奏しますよ。
ということ。
なのでティンパニ奏者はCDでも表記されないのである。
でもこの時のティンパニ奏者は名手カーフス(首席奏者)。映像でもちゃんとアップで写っていた。
 
この曲。結構好きな曲ではあるが、実演で聞いたことはなく、映像で見たのも初めて。
貴重な機会なので、繰り返し見てしまった。
オルガンに圧倒され、目立たない指揮者。今は亡きヤンソンスバイエルン放送交響楽団の演奏会。会場はミュンヘンのガスタイク・フィルハーモニーである。
この曲をひっさげてのヨーロッパ・ツアー。ウィーン楽友協会でもやってラジオ中継を聴いたが小さなステージの楽友協会ではどんな配置だったのだろう。
この時の演奏がCDで出るとのこと。映像も出てくれないかと思うのだが。
  
ちなみに、この公演のメインプログラムはサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。
楽器の王様、オルガン三昧のプログラム。この曲ではコンソールは端っこに移動されていた。
 
バイエルン放送協会のHPではすでに動画の公開は終了しているが、サン・サーンスだけはYouTubeで発見した。
 
 
 
プーランクは他にも、チェンバロとオルガンが出てくる「田園コンセール」、「2つのピアノのための協奏曲」など面白い協奏曲を作っている。盆栽シリーズのCD。ジャケットも面白い。