ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

あんたなんて大嫌い!でも、そのうちに・・ ブルックナー/交響曲全集

f:id:HerbertvonHarayan:20200124235743j:plain

ブルックナー交響曲全集

指揮:オイゲン・ヨッフム

演奏:ドレスデン国立管弦楽団

 

ブルックナー
偉大な作曲家のひとり。

である。

「到底好きになれそうもないな、ブルックナーの作品は」
と思っていたのであるが。。。。

 

最近では
「ああ、ブルックナーを大音量で聴きたいなぁ」
と思う始末。
わが身にどういう変化があったのだろうか。

ブルックナー、と言えば?
・曲が長大である。
・同じような旋律が弱くなったり、強くなったり、また弱くなったり、延々繰り返される。
・メロディーが口ずさみにくい。だから、印象に残らないし、曲も覚えられない。

・すべて同じ曲に聞こえてしまう。
・コンサートで聴いても、正直眠くなる。
などなど


また、交響曲には、いろいろ「版」があって、詳しい方は
「それぞれの違いはこうである」ということがわかっていて
「今回の演奏は〇〇版のようだけど、ここがちょっと違う」
と終演後に議論の花が咲く。ようである。

そのようなブルックナーが、どうしてわが懐に入ってきたのか?
聴く機会が必然的に多くなったこともあるが、一番大きなきっかけ
「ステージ近くの席でブルックナーを聴いたこと」
である。
コンサートでは安席で聴くことがほとんど。

なので、ステージとの距離がある。
でも、安席であってもサントリーホールの安席はステージ後ろとステージサイドがある。ステージがすぐ近くである。
ゲットする競争率も高いのだが、運よくここをゲットした公演で聴いたブルックナー
これで彼の印象が大いに変わってしまった。
バレンボイム指揮のシュターツカペレ・ベルリン
ブルックナー・チクルスだから、ブルックナー以外の選択肢はないモーツァルトも一部組み合わせではあったけど。
必然的にブルックナー。勇気を持って聴きに行った。


ブルックナー金管が一斉に大音量で咆哮する場面が多くあるのだが、ステージ近くの席ではその音量はすさまじいものだった。
いままで遠距離で聴いていたブルックナーとは全く違う。
演奏者の様子もよくわかる。
顔を真っ赤にしながら吹きまくる表情は、また聞き手の心を揺さぶる、強い印象を植えつけられた。
強奏の部分だけではない。
急に訪れる静寂の時。弦が刻むような、緊張感ある旋律を奏でる時。

眠くなる暇がなかった。
せいぜい4番と7番くらいしか、じっくり聴いていなかったブルックナー。
交響曲全曲をCDで繰り返し聴き、いつの間にか生でもあれこれ聴いていた。


ブルックナー、もちろん好きですよ。」
と言えること。これはクラシック音楽上級者、になったような気分
いままで苦いと思っていたビールが、上手い、と感じたような、大人になった気分。
何がきっかけで好きになるのか、わからないものです。
まだ意味がよくわからないクラシック音楽もあるのですが、そのうちに。
これだからクラシック音楽は面白い。


ああ、でも、まだまだブルックナー初心者であるのは間違いがない。
「版」のことは、正直よくわかっていません。

これもそのうちに・・

 

※馴染みない交響曲は、全楽章聴くのは大変だけど、どこかの楽章だけが気に入る場合がある。それを探して楽章をつまみ食いしながら聴いていたのも、お近づきになれた秘訣のひとつ。