ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

出過ぎた杭になる。でも最初の基本は必要。 ストラヴィンスキー/交響曲第1番

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ストラヴィンスキー交響曲第1番

指揮:アンタル・ドラティ

演奏:デトロイト交響楽団

録音:1984年11月 旧デトロイト・オーケストラ・ホール

 

ストラヴィンスキー

といえばバレエ音楽春の祭典

をまっさきに思い浮かべる、という方は多いはず。

 

私もそのひとり。

 

間違いなく彼の代表作であり、その初演がスキャンダラスなものであった

というエピソードもついて回るからで。

 

そして、彼の作品におけるディスク数もおそらく

春の祭典」が一番多いのでは無いか?

 

今でこそ多くのディスクがあり、演奏会で実演を聴ける機会が多い。

某音楽雑誌では、この作品だけの特集が組まれ

第九のように「もうクラシックのスタンダードになった」と書かれていたりするのは

「そうだ!」と思うのと当時に

「ええっ?」

と思ってしまったり。

 

正直、私にとって、最初聴いたときは、なんだかよくわからない

騒ぎ立てる「変な曲」。

そして

ジョン・ウィリアムスが映画「ジョーズ」のために作ったテーマ音楽と

見事にシンクロした。

 

ジョーズ

あの、子供心にすごい恐怖を感じた映画。

そして、あの音楽。

♪ダ~ラ、ダ~ラ、ダ~ラ、ダラ、ダラダラダダダダ・・・♪

 

「ダ~ラ」が正解かどうかはわからないが

私は「ダ~ラ」と言いながら

友達に徐々に歩み寄ってサメが噛みつく様を遊びで演じていたが。

 

「変な曲」であり「恐怖を感じる曲」でもあった。

ストーリーも、生贄になった女性が踊り狂い、そして死んでしまう

というものであったから。

 

 そんなストラヴィンスキー

バレエ音楽だけではなく

交響曲も作っていて、そんなに多くは演奏されないが

詩篇交響曲」「三章の交響曲」「交響曲ハ調」

という3作品は知っていたが

交響曲第1番」

なるものの存在を知り聴いてみた。

 

「この曲は誰が作曲したのでしょう?」

というクイズが出されたら、おそらく誰も当てられないはず。

 

それくらい「ストラヴィンスキー臭さ」=「ハルサイ臭さ」

がしない「爽やかな香り」

 

すごく聴きやすくていい曲なのである。

ロマンティックなところもあったりするが、そんな中でもちょっと

パンチが効いているというか、おお、と思うところもあるのがいい。

10代後半の若々しさ

リムスキー=コルサコフに習っていた頃なので、その影響も感じられる。

 

ピカソゴッホも、絵を見たら「誰の作品だ」

とわかるという作風だが、最初は普通のタッチで描かれていたのと同様

 

基本がちゃんとあって、それをベースに違う方向へグイっと曲がっていくる。

その曲がり方が、凄く極端で周りからすると「異端」になり、支持されない時があっても

それがいつしかスタンダードになっていく。

 

出過ぎた杭は打たれない

今やサラリーマンもそんな時代になった。

さて自分はどうか?

 

 

※「第1番」はあるが、「第2番」はない、はずである。

どうして?