やっぱりやってしまったのか？ グノー／交響曲第2番

グノー／交響曲第２番 変ホ長調

指揮：パトリック・ガロワ

演奏：シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ

録音：2004年5月　スオラフティ・コンサート・ホール（フィンランド）

やっぱりやってしまったのか？

もしかしてパクってしまったのか？

バッハの曲をベースに作った「アヴェ・マリア」が有名すぎて、パクってしまった作品以外がほとんど浮かび上がらないグノー。

たいしたことないのでは、という疑念を見事払拭させてくれた第1番に続き、もう一つの交響曲である第2番をとワクワクして聴く。

ゆったりとした第1楽章の序奏部アダージョ。ん？これ、モーツァルトの「魔笛」序曲にとても似ている感じがする。

やはりグノー。

やってしまった感を持ちながら聴き進めていく。

序奏後はベートーヴェンの「英雄」を感じさせるような雄大な展開に。もしかしたら、ここもかなり意識した（パクった？）のかもしれないが、とても聴きごたえある第1楽章。

一番の聴きどころは第2楽章かもしれない。グノーの美しい旋律は交響曲のひとつの楽章としてはもったいないくらいの曲。

緊張感があってちょっと怪しい感じがするけど、それが前の美しい曲調を引きずらせず、いいスパイスになる第3楽章。

第4楽章は軽やかで楽しい始まりから雄大さも持ち合わせた素敵なフィナーレにふさわしい曲。

パクったのでは？という当初の疑惑を払拭させて全体を聴き終えた。

もしかしたら、これ、ベートーヴェンの曲？と聞かれてもおかしくないような隠れた名曲。いつか生での演奏機会に出会うことを祈りたい。