ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

バラライカのこと、知ってますか?

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バラライカの饗宴

演奏:オシポフ国立ロシア民族オーケストラ

指揮:ヴィタリー・グヌトフ

録音:1962年6月13、16日 ソ連

 

バラライカ

名前はよく知っているし「ロシアの三角形をした弦楽器」という位の説明はできる。

がそれ以上は。弦は何本で音色はどんな感じだったか?

このジャケットに映っているみたいにこんなに大きい楽器だったろうか?

 

確か私は今まで生では聴いたことがないはずだ。

テレビでは演奏しているところを見たような気がするがよく覚えていない。

ギターよりちょっとくすんだ音色だったような。マンドリンの様に繰り返し弦をはじいていくものだったか。

 

それほどの知識しかないことがわかりググってみる。

バラライカ」(クリック)

 

・・・月島ひかり「バラライカ」ビデオクリップ・・・

 

ん?

ロシア民謡「一週間」ではなく、アイドルの歌がトップに躍り出てくるとは。本家ロシア民謡、がんばれ。

 

スルーしようと思ったが、バラライカが出てくるかもしれないし、気になるので視聴。「ウッ!ハッ!」はジンギスカンではないか。モンゴルだ。でもその後、確かにロシア風の旋律が出てくる。コサックダンスのような振付。でもバラライカは出てこなかった。


月島きらり「バラライカ」 ビデオクリップ

バラライカの音源。

もちろんYouTubeでもいくつも確認はできるがやはりCDを手元においてじっくり聴きたくなる。素晴しい録音で定評あるMERCURY LIVING PRESENCE(マーキュリー・リビング・プレゼンス)でリリースされているのを発見。

しかも「オーケストラ」が演奏となっている。すでに廃盤のものを中古でなんとか探し出しワクワクしながら聴いた。

 

驚いたのはこんなに迫力がある楽器なのかということ。

意外に金属的な音色でマンドリンとかに近い。でもマンドリンオーケストラの様にちょっと哀愁を帯びたものとは異なる。すごい音の厚み、そして大迫力だ。ロシアのパワフルな曲調ということもあるが。

 

バラライカオーケストラの構成は第1、第2とアルト、バスがあるという。通常のオーケストラの弦の編成(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)みたいだ。他に「ドムラ」という楽器も演奏されている。これは丸くてマンドリンに近い構造でさらに音も鋭く高音まで音が出る。

 

ロシア民謡の数々、もちろん「一週間」のおなじみの旋律も登場。リムスキーコルサコフの「熊蜂は飛ぶ」をバラライカでも演奏。超絶技巧が披露されている。

 

CDのライナーノートによると、冷戦のさなか、レコーディング計画から録音が実現するまで、レコード会社のアメリカ側とオーケストラがあるモスクワ側、双方政府関係者の協力取り付けまで3年ほど要し、機材とともにソ連に出向いて録音が実現したのだとか。そんな努力があって素晴らしく楽しいバラライカの音に触れられることに感謝。まあ今ではそんな大きな壁はないしネットの時代。簡単に触れることができてしまう。寒くなってきたし、あったかいボルシチでも食べながらまた聴きたい。

これを書いているとき、日本でただ一人、プロのバラライカ奏者として活躍している北川翔さんという方がいることを知った。おじいさまはロシア音楽研究者。お父様はバラライカ奏者と3世代にわたるエキスパート。そしてコンサートが間もなくあるではないか。やっぱり生で聴きたい。

https://kitaoke.tumblr.com/

北川記念ロシア民族オーケストラの演奏会


北川記念ロシア民族楽器オーケストラ創立5周年記念演奏会~家族~

北川翔さんのホームページ

https://www.sho-kitagawa.net/