ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

とうとうバラライカを生で聴いた

 先の記事でバラライカのことを書いているとき、日本でただ一人、プロのバラライカ演奏家である北川翔さんのことを知った。
その北川さんが率いる「北川記念ロシア民族楽器オーケストラ」の演奏会が間もなくあることを発見。
秋はただでさえクラシック公演を聴く予定が立て続けに入っていて、スケジュール的に空きが少ない。そして懐具合も正直厳しい。でも、ちょうどスケジュールが空いているではないか。
 
「これは行くしかない」(懐は何とかなる。と思うしかない)
 
日本で唯一のプロ演奏者。最高のバラライカの演奏が聴ける絶好の機会。
「オーケストラを初めて聴いたのはウィーン・フィル
「野球を初めて見たのはヤンキースタジアム
「初めて乗った鉄道はオリエント急行
・・・・
 
最初に最高の体験をする。間違いなく忘れないものになるはず。そして今後興味を持ち続けるきっかけになるはず。
 
10/27(日)を迎え、会場の「ティアラこうとう」に向かう。
ステージに団員が入場。確保できた席は後方しか空いてなくて楽器の詳細な様子がよくわからないがバラライカだ。三角形だ。意外に小さい。そして丸いのがドムラだ。こちらも小さい。
 
でも、私がまず一番注目したかったのは大きいバラライカ。前の記事に書いたCDのジャケットに写っているようなものだ。
 
そしてそれは登場した。
 
でかい!
 
でかい三角形の板を抱えた演奏者。
距離が遠いので板に見えたが間違いなくバラライカである。
コントラバスバラライカというのだそうだ。クラシック楽器のコントラバスも「でかい」のだが、三角形(正三角形?)という直線的な図形はそれ以上に強烈なインパクトを与える。
 
さて、ロシアの楽器たち、生でどんな音が聞こえるのかワクワクする。
マンドリンのような高い音色のドムラ。ピックで上下に弦を小刻みに鳴らす。でも、バラライカは?確かに弾かれてはいるがあまり音色がわからない。ピックは使わず指で弾くのがドムラと異なる。どちらかというと脇役の伴奏の役割なのかなぁ。知名度は遥かに高いのに。という第一印象。
 
でかい三角形「コントラバスバラライカ」は?
確かに「ブンブン」という低音が響っているのがわかる。でもあまり腹にずしり、とするのではなく柔らかめ。
左手、弦をおさえる手は手袋をしているのだろうか。よくわからないが、もしかしたら弦も無茶苦茶太くて指が擦り切れてしまうのを抑えるためなのか。
参考までにコントラバスバラライカ。なかなかかっこいい使用方法。
でも三角形は持ちにくい。下にある頂点の角が床についているようだ。でもこの楽器の特性を発揮するために頷けるものであろう。コントラバスもそうだが、重低音の響きをステージに伝達させてより効果を出すのだ。図体のわりにサウンドホールがちっちゃいのが可愛らしい。
音は確かに低いが、腹にくるような響きではない柔らかいものだった。
個人的には第3部がとても面白かった。ドムラとバラライカの奏者が前面に出て演奏してくれた。バラライカの響きを確認するのが今日の大きな目的。なんとも言えない素朴な響きを楽しめた。
でも結構鋭く激しい音色も出る楽器。北川翔さんの演奏風景を。
そしてコンサートで新たな発見。それはグースリ。ハープや琴みたいな、たくさんある弦を指で滑らせて弾く。じゃらじゃらじゃらーん。という感じで鳴る楽器である。客席からはよく見えないが、右手がなにやら押さえている様子。なんと小さな鍵盤が付いている。
最後に北川さんが「今後、もしかしたらバラライカブームが来るかもしれません。今日来ている皆さんは、それに先んじてバラライカのことをすでによく知っているよ、と自信もって言えますね」と。
バラライカブーム。先取りさせていただきました。
 

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