もしも、ピアノが、弾けたなら? シューマン/「謝肉祭」
シューマン/「謝肉祭」 op.9
ピアノ:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
録音:1957年3月
指というのは思ったように動かないものだ。
大人になってから、あこがれていたピアノを弾くことにチャレンジしても
「なんで思ったように動かないんだ!」
とイライラして、結局続かなかった。
特に薬指は言うことを聞いてくれない。
「おまえ、立派に独立して存在しているだろ?なんで思うように動いてくれないの?」
シューマンは指を鍛えるために、指を釣って単独で動かす装置を利用したという。
しかしそれが原因で指を痛めてしまい、ピアニストとしての夢が絶たれた。
昔、その器具と言われる写真をどこかで見たことがあるのだが、どうもその話は今となっては創作されたもののようである。
でも、たとえ創作であっても、その気持ちは私にはわかる。
思い通りになめらかに指を動かしたいという思いが。
たくさんあるシューマンのピアノ曲で初期の代表作と言われる「謝肉祭」。
全20曲はそれぞれが題名を持ち、豊かな表情と個性があってワクワクする。
難解な曲が多いシューマンの中では聴きやすくて、個人的に聴く回数が多い。
でも結構難しそう。指が思うように動かせなければ。
今はボケ防止として、各指をクルクル回す運動をやっているが、また思い通りにならない指にイライラしている。
でも、スムーズに動くようになったら、またピアノにチャレンジしてみようか。
明日、7月29日はシューマンが亡くなった日である。
※ディスクは若きミケランジェリのテクニックと表現力に感銘を受ける演奏。