言葉の意味をよく知らぬまま。 シューベルト/ワルツ
ウィーンのダンス
ピアノ:パウル・バドゥラ=スコダ
録音:2005年4月 ウィーン
ピアニストのパウル・バドゥラ=スコダが亡くなった、と聞いた。
91歳だった。
10月に来日して公演をする予定だったがその直前の訃報であった。
フリードリッヒ・グルダとイェルク・デームス、そしてスコダ。
「ウィーン三羽烏」として知られていた。
「三羽烏」?
「カラス」って、一体?
なんでカラス?
「三大ピアニスト」とか、別の言い方があるじゃあないか。
そういえば「ハンガリー三大烏」というのもある。
ラーンキ、コチシュ、シフ。
ハンガリーを代表する3人のピアニストだ。
ああ、ピアノは黒いから「カラス」に例えるのかな?
でも調べてみるとピアノ以外でも呼ばれるようで、特定の分野において突出した3人のことを言うようだ。
株の世界では大幅に下落する予兆を意味するよくない言葉らしい。
意味も分からず使っている言葉の数々。それは今後、良く調べてみることとして。
パウル・バドゥラ=スコダは個人的にはあまり近い存在ではなかった。生で聴いたこともない。
でも1枚だけCDを持っている。
これがなかなか良いCDで「ウィーンのダンス」というタイトル。
ウィーンのダンスなら基本はワルツ。
ヨハン・シュトラウスをはじめ、ワルツの名曲がたくさん生まれた町。でも面白いのはシュトラウスだけではなく、シューベルトのワルツが主として入っていること。
歌曲王とワルツ。あまり結びつかないが、素敵なワルツを作っていた。
ウィーンに生まれ、短い生涯をそのウィーンで過ごしたシューベルト。
やはりウィーンっ子としてワルツは近い存在だったはず。
未完成交響曲も、白鳥の歌のセレナーデも三拍子だ(三拍子がすべてワルツとは呼べないと思うが)。
ウィーンのピアニストによる、ウィーンの香りを感じる演奏。
ああ、久しくウィーンの空気を吸っていない。