ヴィラ=ロボス/ハーモニカ協奏曲
ハーモニカ:ロバート・ボンフィーリオ
指揮:ジェラード・シュウォーツ
演奏:ニューヨーク室内交響楽団
録音:1988年8月22~27 ニューヨーク
ハーモニカ。
私を含め、その音色に哀愁を感じる方は多いのではないだろうか。
小学校の時はひとり1本買わされて音楽の時間に使っていたし、中学生時代はフォークギターを弾きながら吹いていた。
両手はギターにとられてしまうので固定して首にかけるスタンド方式。
口を激しく左右に滑らせて。決して一音一音キレイな音を出すことなく、隣の音も一緒に鳴らす。その雑さがパワフルで大人のワイルドさを醸し出すのだ、と思っていた。
でもハーモニカ。
純粋に一音ずつ鳴らすのは意外に難しかったと思う。
吸う音、吐く音。どこまで横に口を滑らせれば鳴らしたい音に行きつくのか。
そのハーモニカの協奏曲があることを発見したのは、まだ最近のこと。
クラシックの名曲をアレンジしているものはわかるが、ハーモニカ1本をオーケストラと共演させるのである。
しかもヴィラ=ロボスという一流の作曲家の作品である。
先のギター協奏曲でも書いたが、果たしてオーケストラとのバランスはどうなるのだろうか。
You Tubeにも演奏風景があるがマイクを使っていることが確認できるので、やはり対等に張り合うのは難しいのだろう。
Concerto para Harmonica e orquestra - Villa-Lobos (1º mov).avi
ブラジル風の明るさや強さもあるが、やはり哀愁を帯びた音色が生きた、他の楽器の協奏曲とは異なる雰囲気が魅力的な曲。
生では滅多に聴く機会はないだろうから、ディスクでじっくりと聴きこんでいきたい。
※CDジャケットでは素敵な笑顔のボンフィーリオ。映画「クレイマー・クレイマー」のサントラでもハーモニカを演奏しているのだとか。