ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

一服の清涼剤をさがして スヴィリドフ/組曲「吹雪」

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スヴィリドフ/組曲「吹雪」

指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ

演奏:モスクワ放送交響楽団

録音:1975年

暑い時は寒ければいいな

寒い時は暑ければいいな

いや、ちょうどいい春と秋が続けばいいな

と勝手なことを思ってしまう。

 

もし今、突然吹雪がやってきたら万々歳で外を駆けずり回ってしまうかもしれない。

私は本物の吹雪を体験したことはない。

北の国の方にとって、吹雪はそんな生易しい気象現象ではないとは思うけど。

 

暑い時も熱い演奏が聴きたいのだが、さすがに堪えるのでヒンヤリ感を求めた。

 

その名も「吹雪」。

スヴィリドフ作曲。

有名な作曲家ではないけど

これしか知らないけど

愛聴をしているもの。

 

昨年12月にN響が演奏し、生で聴けたのは感激だった。

こんなマイナーな作曲家のものを。

 

当初はデュトワ指揮で発表された演奏会。

諸所の問題でヴェデルニコフに指揮者変更になり、プログラムもこの「吹雪」を含むロシアもので再発表。

ヴェデルニコフに感謝である。

 

もともとプーシキンの小説「吹雪」が題材となった映画のために作曲された。

確かに各テーマが主張するBGM的な要素を感じる。

 

1曲目の「トロイカ」は白銀の中をトロイカが走る世界を感じさせる。そう妄想するだけで暑さが遠のく。

2曲目の「ワルツ」。ブンチャッチャとブラスが刻む典型的なワルツもロシア的。

4曲目の「ロマンス」はこころが張り裂けんばかりの美しいメロディー。演歌の世界でも通用する。

6曲目「軍隊行進曲」は夏の甲子園のイメージとシンクロして暑い日本へ引き戻されたが、最後の「冬の道」で広大なロシアの地平線が再び蘇る。

 

もしかしたら夏にこの曲を聴いたのは初めてかもしれないが、意外にも涼を感じることができた。

(あくまでも個人的な感想です)

 

イヤフォンを外したとたん、あふれる蝉の声が入ってきて、現実に引き戻された。

 

 

※同じディスクに収録の「プーシキンの花輪」は合唱曲。ロシアのパワフルで透明感ある美しい合唱団の曲も夏にはいいかもしれない。