ワクワク! クラシック音楽の泉

堅苦しいけど奥深い「クラシック音楽の世界」に新しい出会いを求めて日々活動中。名曲(迷曲)、名演(迷演)、珍曲の発見など、個人的にワクワクしたことを綴っていきたいと思います。

今の声は誰の声? ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番

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ピアノ:ウラディーミル・ホロヴィッツ

指揮:ユージン・オーマンディ

演奏:ニューヨーク・フィルハーモニック

1978年1月8日 カーネギーホールでのライブ収録

 「ひび割れた骨董」という評価や、1965年のヒストリック・リターン公演レコードの収録曲が一部修正されていたことがわかり、近年その両方を収録したディスクが出たとか、演奏レベルによる話題がでるホロヴィッツ

 

まだクラシックの知識もそんなにない中で、チケットの値段の高さなど社会現象になっている公演をテレビで見たことがある。

「ひび割れた骨董」と言われることになった公演。

確かに私でもわかるようなひどい状態で

「これがすごいピアニストなのか?」

と驚いてしまって、更に食い入るように見ていたことを覚えている。

 

その時の様子 痛々しい、けど見てしまう


Vladimir Horowitz in Japan (1983)

 若いころのライブでも結構ミスはやらかしているし、このラフマニノフでも結構あるけど、音楽的には問題なく、それよりも聴いた後の充実感は非常に高い演奏。

ライブならではの熱さ。ホロヴィッツならではのヴィルトゥオーゾがほとばしる。

オーマンディ指揮のNYPもいいサポートをしていると思う。

 

第2楽章終盤(11分前後)で左チャンネルのほうから何やら声が聞こえるのに気が付いた。

Stop! Stop!のように聞こえる。

誰の声?ピアノは弾かれていない部分。オーマンディがオケを抑えるために出した声?弾いていないホロヴィッツが、自分のイメージと乖離するオケに対して出した声?それとも別人?

 

その後ピアノが入る直前にもう一回声が聞こえる。Good!だろうか?先のStop!に対してうまくいったので、その結果としてのGood!なのか、と想像を繰り返す。

 

正解はわからないが自分の中では、そういうことにしておき、最後の聴衆同様、大きな拍手をして聴き終えた。

 

 

※※このCDのライナーには「技術的な問題により、一部をコンサート後に録音した」とある。とても正直である。